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『ナイフ』重松清著 を読む

重松清という作家に興味を持ったのは、つい最近。書評家の赤木かん子さんの講演会に行った時ヤングアダルト(思春期の人たち)が受け入れる作家の中に森絵都、石田依良とともに名前が挙がっていたから。
それからもう一つ『小学生日記』を書いたhanaeちゃんが本の中でナイフ(重松 清 / 新潮社)のことを書いていたから。


『ナイフ』には5つの短編が収められていて、そのうち4つはイジメ問題がテーマです。
「ワニとハブとひょうたん池で」はイジメられる側とイジメる側が簡単に逆転する今のイジメの複雑さを、「ナイフ」は弱い父親がイジメられっ子の息子にしてやれることは何かについて、「キャッチボール日和」では強い父親と弱い息子の関係を、元ヤクルト荒木大輔選手の野球人生を絡めながら、「エビスくん」はイジメられながらもイジめッ子が好きな男の子を(わたしにはよく理解できなかった)、「ビター・スイート・ホーム」では担任に不満を抱いた妻と担任との確執、夫婦の問題を、それぞれ描いています。


どれも深刻なテーマを持っていますが、希望の持てる終わり方なので読後がそれほど暗くなりません。(だけどかなり考えさせられます)

もし我が子がイジめられるようなことになったらどうしますか?
今の子ども達の交友関係というのは私たちの頃よりずっと厳しいものになってきていると思います。
by riviere7341 | 2004-11-07 20:40

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