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絵本『ラチとらいおん』 は人間関係を教えてくれる絵本

子供じゃなくても、だれかに背中を押してもらいたい、そばにいてほしいと思うことはあるはず。それは決して弱虫だからということじゃないし、恥ずかしいことでもない。この絵本は人間の弱さを認めながら、強くなって行くとはどういうことか教えてくれます。
ラチとらいおん(マレーク・ベロニカ とくなが やすもと / 福音館書店)

ラチは世界で一番弱虫な男の子。犬が怖いし、暗闇も怖い、ともだちも怖いからみんなばかにして遊んでくれない。ほんとは飛行士になりたいと思っているんだけど…
そんなラチのところにある日赤い小さなライオンが来た。彼が来てくれてからというものどんどん強くなっていくラチ。だけどとうとうライオンとの別れの日が訪れる。


子育ての視点で見ると、子供を自立へ導くために大人はどうかかわったらよいのかを教えてくれる絵本です。あるところまでは一緒にいてあげて支え、勇気づけてあげる。そしてもう自分は必要がないなと思ったらさっと身を引く。
大人同志の人間関係という視点でも同様かもしれません。助けてほしいからと言って世話になりっぱなし、依存的では自立できないし、相手と対等な関係になり得ない。また、逆に世話好きな人にありがちなのですが、人によっては恩着せがましくなることもある(小さな親切大きなお世話それって私のことかも)。なんてことを教えてくれている絵本としても読めます。

人間は本来社会的動物であるから、いくら他人とかかわりたくないと言ってもまったくかかわらずに生きることはあり得ない。だからみんな人間関係に悩むのでしょうね。自分としては、ときには自分がラチになったり、また別の場面ではライオンになったり、その時々で互いにうまく役割交代できれば理想だし、それが健全と言われています(『交流分析』で言えば、三つの自我状態の間をエネルギーが自由に行き来できる人)。
by riviere7341 | 2005-04-22 12:04

日々のつれづれ


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