『じろり じろり~どうしてけんかになるの』デビッド・マッキー作

デビッド・マッキーの絵本紹介第三冊目。デビッド・マッキーが追い求めたテーマの一つに反戦があります。
この絵本は小さな喧嘩から大きな戦争まで、全ての争いごとに通じる心理と願いを描いていると思います。

じろり じろり―どうしてけんかになるの?
デイビッド・マッキー はら しょう / アリス館
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あるところに黒い象たちとと白い象たちが、それぞれ住んでいました。
どちらも生き物を愛する優しい(…はずの)象でした。
ところがふとしたことから喧嘩になり、戦いが始まりました。
戦いの嫌いな象たちはジャングルの奥に逃げました。
残った象たちは長い間戦いを続け、その果てどちらも絶滅してしまいました。

ある日、隠れていた象の孫たちがジャングルから出てきました。それはみんな灰色の象でした。
それからず~っと平和に暮らし…
て行くはずだったのに、なぜか大きい耳の象と小さい耳の象がにらみ合うようになってしまいました。
……


原題は”TUSK TUSK" でTUSKとは…動物の牙のことでした。
牙は戦いたくなる動物の本能の象徴だと思われます。
そして絵本では象の鼻が時には武器になったり握手する手になったりします。
人はみな心に牙をもっている。その牙を使わずに済ませるにはどうしたらよいのか。
知恵の使い方次第でどうにでもなるよ…と言っているかのようです。

絵本の中に”ヴィーラ・ラ・ディフェランス”(チガウッテ スバラシイ)と書いてあります。
違いを認められない限り、戦いは無くならないと作者は言いたいのではないかな?

裏見返しには握手している灰色の象が、裏表紙にはのんびり空を眺めながら小鳥や蝶と戯れている灰色の象が描いてあります。作者はこんな風に生きたいのだね。きっと…
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by riviere7341 | 2006-06-30 22:38

日々のつれづれ


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