あこがれの児童書をついに読む「ツバメ号とアマゾン号」
2010年 07月 30日
◆あらすじ◆
夏休み、ウォーカー家の4人きょうだいは、小さな帆船「ツバメ号」に乗って、子どもたちだけで、無人島ですごします。湖を探検したり、アマゾン海賊を名乗るナンシイとペギイの姉妹からの挑戦をうけたり、盗賊や嵐に遭遇したり…
日本語訳は1967年に発行されており、活字も古く、表現も今風ではないのでとっつきにくいにですが、読み始めるとぐいぐい惹きつけられます。原作は昭和5年に世にでたとのこと。それから80年経ているのに、この夏の出来事のように読めます。おそらくこれから先も何百年も読み継がれる児童書の傑作!
子どもが主人公なのに大人が読んでもワクワクします。数ヶ月前に大人向け冒険エッセー「オーパ!」を読んだときとなんら変わらない面白さ。しかも空想と現実の間を絶妙にいったりきたりする描写や敵をやっつける攻撃的な部分と友好的な部分のバランス感覚が絶妙。子どもの周囲の大人の有り様も素敵です。
作者は従軍記者として働いたこともある経歴をもち、様々な経験から得た人生観を子どもの文学に全身でつぎ込んでいる気迫を感じました。
最近新訳も出たそうです。翻訳者は変わらないから、活字や装丁、時代を経て不適切となった表現をあらためた程度では?と想像しています。↓