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『十三歳の夏』の登場人物とエゴグラム

前回書いた乙骨淑子著『十三歳の夏』を読んだあと、こんなことをやってみました。物語の登場人物をエゴグラムの5つの自我状態で分けてみたのです。(エゴグラムについて知りたい方はあとで下のMOREをクリックしてみてね)

■深海魚のような目をした教師の叔母は父性的な厳しさCPと合理的理論的なAを含む人
■飲んだくれの父は本能的で自由気ままなFC
■愛情深く世話好きの八重は同情的保護的世話好きなNP
■亡くなった祖母は5つの自我状態がバランス良く存在する大人
■そしておさななじみのさぶにいちゃんは利恵と同時代を生き、ともに成長する仲間。

これらの脇役に囲まれ、主人公利恵は始め大人に順応するACですが、人との出会いや経験によって他の自我状態にも目が見開かれます。
この物語の核心は、主人公が優しく暖かい八重と自由でおもしろい父の元をあえて去り、一見嫌われキャラの叔母のところへ戻る決意をすることだと思います。

成長とは見知らぬ場所への心の旅であり、厳しさを乗り越えてはじめて世界が開かれるのだと気づくことです。そして旅立ちができるようになるには、それ以前に暖かさや保護的な愛情、落ちついてバランスのとれた環境があって初めて成り立つものなのです。
心の旅行鞄に暖かい思い出がたくさん詰まっている子どもほど思いきり冒険の旅にでられるのではないでしょうか。作者はこんなことを言いたいのではないかと思いました。
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交流分析とは1959年、アメリカのエリック・バーン(Erick Barne)が創始した精神分析の一つで、素人にも分かりやすいことから、精神分析の口語訳とも言われています。そしてエゴグラムというのはその交流分析による性格診断です。交流分析では”人間はみな心の中に3つの私(3つの自我状態)を持っていて、自分の自我状態を知らなかったりバランスが崩れているために悩みが起きたりトラブルが生じたりする”と考えています。

3つの自我状態とは

P・・・親 (批判的父性的な自我 CP、保護的で優しいNP)
A・・・大人(考える自我 A)
C・・・子ども(自由で感情的な自我 FC 、依存的、顔をうかがうAC)

です。

自分のエゴグラムを知りたい方は↓のサイトで診断できます。
エゴグラム性格診断
by riviere7341 | 2004-08-29 19:22

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by りびい